私のからだが教えてくれたこと

日々の気付きや暮らしの手仕事のこと

あさりが教えてくれたこと

note記事(2021/5/1)より転載

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うちの母は「毎日口にするものは安全で美味しいものを」というこだわりがあり、お米や調味料は無農薬だったり余計な添加物が入っていない安心できるものを選んでいる。

加工食品やその他も出来るだけ添加物の少ないもので、味も美味しいと思えるものを選ぶようにしている。

とは言え、市販のお菓子やインスタント食品も時々食べるし、野菜も激安スーパーで普通に農薬を使って育てたものを買うし、何がなんでもオーガニック!というわけではなく、適度に体に優しいものを取り入れているという感じだ。(私は体調を崩してから、食事にはもっとこだわりたいと思っているのだけど)

 

で、その母から面白い話を聞いた。

先に述べたように、お塩もなるべく安全で美味しいものを選んでいるわけだけど、何年も前、あさりの砂抜きをしようとした時のこと。

塩水に入れた途端、あさり達が殻を固く閉じて全く動かなくなったそうだ。

いつもならあさり達は殻の隙間からにゅーっと体を伸ばしてのびのびと水を吐きまくるのに、何故だかこの時あさり達は殻を固く閉ざしたままだったのだ。

「何でやろう?今までこんなことなかったのに?」不思議に思った母は、塩を変えたことにハッと気づいた。

それは、誰もが知ってる食品メーカーが販売している、「瀬戸内海の海水を天日干しして作った」「ミネラル豊富でまろやかな味」の体に良さそうな塩だった。決して安い塩ではない。

とにかく、「この塩は嫌だ!」というあさり達の強い意志を母は感じたという。

貝にとって嫌なものは、人間にも良くないだろうということで、それ以来その塩は買っていない、ということだった。

たまたまかもしれないし、今もその塩をあさり達が嫌がるかどうか分からないけど、とにかくその時彼らは全身でその塩を拒否した。

彼らには不自然なもの、異物だったのだ。

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人間は雑食で何でも食べる。

少しぐらい毒や異物が含まれていても、健康な体であれば上手いこと排出したり無毒化できるすごいシステムが備わっている。

だから、普段口にしている不自然なもの、害のあるものに何の疑問も違和感も抱かない。

動物や植物や微生物等、人間以外の生き物達は、実は人間よりも敏感に不自然なものを感じ取っているのかもしれない。

そして彼らなりにそれを表現しているのに、人間はそれに気付いていないのじゃないか。

私の弱った体には、不自然なものを分解したり排出したりすることにエネルギーを費やすよりも、治癒することにエネルギーを注いでほしい。

だから、なるべく体に負担の少ない自然なものを口にするようにしたい。

あさりの話を機に、自然界の生き物達の反応や、自分の体の反応を、注意深く観察してみようと思った。

小さな違和感が、大切なことに気付くきっかけになるかもしれないから。