私のからだが教えてくれたこと

日々の気付きや暮らしの手仕事のこと

自家製もやしは豆の味

note記事(2021/6/25)より転載

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土と水と太陽の力で、小さな種から芽が出て、葉っぱが広がり、花が咲いて、また種ができてーそんな風に植物が育っていく様子を見ていると、本当に奇跡のような思いがする。あんなに小さな種に、どれだけのエネルギーが秘められているんだろう?土と水と太陽はどんな見えない力でそれを助けているんだろう?

今まで何度も思い立って植物を育てようとしたけれど、途中で飽きたり世話を怠ったりして必ず枯らしてしまっていた。

不思議なことにどんなに丈夫な観葉植物でも私の手にかかると枯れてしまう。

運悪く私の元に来た植物達には本当に申し訳ない。

そんな枯らす専門の私だけど、うちの母はその逆で、草花を愛しその世話に並々ならぬ情熱を注いでいて、ほんとうに上手に育てる。

それで私が放棄した植物達は母によって助けられて、今日も庭で生き生きと葉を広げている。

ただ、私は将来的に庭で小さな家庭菜園、しかも自然農法がしたいなぁと思っていて(無謀かもしれないけれど)、でも今は世話をする体力も自信もないし、と思っていたところ、たまたま聞いていたラジオで、「簡単な家庭菜園ーまずはもやしを育ててみましょう」という話をしていた。

もやしを育てるなんて考えたこともなかったけど、説明を聞いてみるととても簡単そうだし数日で出来るようなので、これなら私にも出来そうとやってみることにした。

ところで、スーパーにはオーガニックもやしなるものも売っていて、普通のもやしの倍ぐらいの値段がする(と言ってもせいぜい60円位)。

何が違うのか調べてみると、種が遺伝子組み換えでなく有機栽培であるとか、培地に化学処理を施していなくて、農薬や洗浄剤や消毒剤に汚染させないとか、いろいろ製造条件があるらしい。(逆に考えると、普通のもやしはそれらの可能性があるということ?)

ちなみに昔のもやしは見映えを良くするために漂白したりしていたんだそう。恐ろしい。※サラダコスモさんのHP参照

それにしても、もやしって1袋20~30円という販売価格で本当に採算が取れているのだろうか?だとしたらどういう仕組みなんだろうか?と、もやし農家さんのことがちょっと気に掛かる。

話は戻って。

せっかくなので、少し割高ではあったけれど、有機の緑豆の種子を用意した。(食用の緑豆でも良かったのだけど1袋の量が多すぎたのでやめた)

あと、私はまっすぐなもやしを育てたかったので、ザルで育てることにした。

種を一晩水に浸けて吸水させたら水を切り、ザルに拡げて日光が当たらないように覆いを被せて、毎日朝晩と水にくぐらせるだけ。

1回目はまだ寒い時期だったせいもあり、上手く育たず腐らせてしまった。どこまで育てるのが下手くそなのか…と落ち込む。

春になり暖かくなってきたので、再度チャレンジ。

今度は上手く育った。

野菜とかまともに育てられた試しが無いので、嬉しくなる。

今のような気温の高い時期だと、吸水から4日ぐらいで売っているような長さのもやしが収穫できる。

ザル方式だと、育つにつれ根っこがザルの目にぎっちり詰まって収穫しづらくなることがわかったので、その次からは、ザルの底に目の細かい水切りネットを敷いてその上に種をまくことにしたら、根っこがほとんど引っ掛からずに上手に収穫できるようになった。

食べてみて、豆の味がすることにびっくりした。

いや、豆だから当たり前なんだけれども、売っているもやしにここまで豆を感じたことはない。

とにかくもやしの味の主張がすごい。

味噌汁に入れようものならもやしが他の具の味に勝つし、ラーメンに乗せたら他の具がなくてもそれだけで満足なごちそうになる。

どんな料理でももやしが主役になってしまう。(「ガラスの仮面」でどんな端役を演じても主役を食ってしまう北島マヤみたいな)

いわんや、ナムルなんてシンプルな味付けだからもやしの味が引き立ってとっても美味しい。

私が枯らさずに育てられた貴重な植物、もやし。

一度は駄目にしたけど、だから余計に「育ってくれてありがとう、美味しく頂きます」と、食べる時はいつもより感謝の気持ちが沸いてくる。

そして、他の生き物の命やエネルギーを頂いてるんだなぁ、としみじみ感じる。

そんなわけで、今うちではもやしは買わずに都度育てることにしている。

簡単だし、売っているものより日持ちするし、安心だし、栄養もあるし、何より美味しいし。

おすすめです。