私のからだが教えてくれたこと

日々の気付きや暮らしの手仕事のこと

無意識のストレスを意識に上げる

note記事(2021/6/22)より転載

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生理不順のため20代の頃から婦人科にかかっている。

いろいろ検査をしてもこれといった疾患や治すべき異常が見当たらないので、医師からは「無意識のストレスですね」と言われた。

当時私はそれなりに充実した毎日を送っていると感じていたので、「思い当たるストレスはありません」と即答した。

医者って原因の分からないことは全部ストレスのせいにする。

大体、無意識のストレスって、無意識だから対処のしようが無いじゃないか?一体どうしろというのだ?と思って諦めていた。

でも、「無意識のストレス」という言葉は私の心の隅にずっと残っていた。

ところが、自分と深く向き合うという作業を続ける中で、「無意識のストレス」って、もしかするとこれかな?とだんだん分かってきた気がする。

確かにそこにあって、心にも体にも感じているのに、それは自分にとって不都合なものだから、無理やり押さえつけて、感じないように、まるで無いもののようにしていた。

そして、それを知ろうともしなかった、そういうことなのかもしれない。

体がバーンアウトしてからは、ストレス耐性が下がってしまって、ちょっとしたストレスに体がとても反応するようになった。

背中が苦しくなり息も上手く吸えなくなる。体中がぐっと緊張しているのが分かる。

もちろん、特に理由もなく急に体がしんどくなることもあるけれど、ストレスでしんどくなる時は、注意深く自分を観察していると決まって嫌な気分が伴っているから(見落としてしまいそうな微かなものだったりもする)、「あっ、今私はストレスを感じているんだな」と分かる。

こうして、ありがたいことに?、私の体は今までストレスと認識していなかった事を徐々に認識するようになってきた。

例えば、体がしんどい時に誰かから頼まれ事をされたとする。

私は基本的に「ノー」と言えない質だ。

「断る・やらない」という選択肢が普通にあればストレスも感じないんだろうけど、私の場合、「しんどいけどやらなければいけない」という一択になってしまう。

だから、ストレスを感じてしまう。

更に掘り下げて、「何でノーと言えないんだろう?」と考えると、相手に失望されたくないとか、断ることで嫌われたくないとか、やたらと人にどう思われるかを気にして行動を決めている自分が浮かび上がってくる。

そして、その思い込みを解消するために、「それは本当なのか?(証拠はあるのか?)」「その考え方をしていてどんな気分になるか?」「もっと別の考え方が出来ないか?」と、自分に問いかけてみる。

それから、出来るだけ自分にとって気分の良い、楽になれるような考え方を採用するようにしていく。

長年培ってきた考え方をすぐに変えることは出来ないけれど、何度も何度も繰り返して自分をなだめていく。

こうやって、体が苦しくなって嫌な気分がしてきた時はいつも、「なんで今自分は嫌な気分になっているのだろう?」と掘り下げるようになった。

自分自身と深く向き合う作業は、時に大きな苦痛を伴う。

目を逸らしたくなるような自分の嫌な面を受け止めなければいけないこともある。

でも、何度も繰り返していると段々慣れてきて、今では「おっ、また来たな」と余裕を持ってその作業を楽しんでさえいる。

私の場合、たまたまではあるけれど、早い段階で「自己肯定感を上げるワーク」というのをしたことが役立ったと思う。(図書館で借りた本で、タイトルは忘れたけれど、読みながら質問に答えていく形式のもの)先に「どんな自分でも大丈夫」という気持ちを養っておいたことで、その後に自分を掘り下げていくことで、自分で認めたくないような嫌な面が浮かび上がってきた時にも冷静に受け止めることができたと思う。

身近に心理療法ができる環境があればそれに頼ることも良いと思うけど、そもそも田舎だとそんな場所は無いし、都会であっても自分に合うセラピストさんを見つけるのはなかなか難しいだろう。そして、結構な費用もかかる。

だから、こうやって本を利用してマイペースで自分をじっくり見つめ直し感情を整理するには良い方法だと思う。(ただし、過去に酷いトラウマ体験をして今も精神的・身体的に辛い症状に悩まされている人は、やっぱり専門家の力を借りた方が良いと思う。)

 

押さえつけていたストレス感情に、「今まで無視していてごめんね」と謝りつつ、自分の内側に新しい発見をしている日々だ。