私のからだが教えてくれたこと

日々の気付きや暮らしの手仕事のこと

新しい一歩 ~5周年記念~

note記事(2021/9/23)より転載

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本格的に体調がおかしくなってから今日でちょうど5年。

思えば、今までずっと日々移り変わる体調の事ばかり考えて生きてきた。

やりたいことはたくさん有っても、体がそれを許してくれない。

皆が普通にしていることが私には出来ない。

少し動けばすぐに寝込んでしまう。

「体さえ元気であれば、健康でさえあれば、何だって出来るのに…!」

私の頭は、どうやったら前みたいに元気な体を取り戻せるのか、いつになったら元気になれるのか、いつもそんな考えでいっぱいだった。

でも、もう病気を自分のアイデンティティにしたくない。

自分の人生の主導権を病気に渡したくない。私の幸せを体調に左右されたくない。

だから、新しい一歩を踏み出すことにした。

 

オンラインで洋裁を習うことにしたのだ。

月額制ではないので、自分のペースで少しづつ進められて、しんどい時は気兼ねなく休める。

私はもの作りが好きで、洋裁でも和裁でも編み物でも工作でも何でも良かったのだけど、少し前に両親にパジャマやトランクスやエプロンを作ったら思いの外喜んで貰えたので、それで洋裁をすることにした。(なんと父は出来上がったトランクスを仏壇に供えていた!ご先祖様はどう思っただろう…笑)

私は体が小さいので、既製服も自分で手直しすることがあるのだけど、やっぱり素人ソーイングだと複雑な直しは上手く出来なくて、前々からちゃんと習いたいと思っていたのもある。

ただ、「ちゃんと」習うとかなりのお金と時間がかかるし、仕事になる訳でもないし、と思って二の足を踏んでいた。

もちろん、オンラインであっても習うにはそこそこお金がかかるので、私にとっては大きな決断だった。

でも、体を壊して色んな事がままならない日々を過ごす中、自分にとって本当に大切なこと、守りたいもの、夢中になれること、好きなことが何かというのがよーく分かったので、思いきって自分に投資することにした。

会社員時代はお給料をたくさんの物事に費やし、それでも満足することなく次々と新しいものを手に入れようとした。

これはひたすら消費(浪費?)を促す世の風潮にまんまと乗せられていたので仕方なかったと思っている。

クローゼットに溢れる服、靴、鞄、化粧品、etc.,今はそれらはほとんど要らない。

今必要なのは、最低限の着心地の良い服や靴、僅かなスキンケア用品、心地の良い寝具、安心できる美味しい自然な食べ物。

そして、私を励ましてくれる庭の植物や木々。

自分で作れるものは作る。

幸い作るのが好きで、その作業を楽しんでいる。

洋裁の技術がどれだけ役に立つかは分からない。

ましてや仕事になるなんて思っていない。

でも、私は「作ること」が好きだから、自分の役には立つ。これからは、自分にとって大切なことや好きなことのために、そして人を喜ばせるために、時間とお金を使いたい。

人生の折り返し地点あたりに差し掛かって、改めて残り時間の使い方を意識する。

 

「時間=命」、大切にしなければ。

 

私という命を終えるその時に、あぁ良い人生だった、と心から思えるように。

世の中はコロナの影響もあり、オンラインの環境がかなり整ってきた。

こういった社会環境の変化は私のような自由に動けない人にとってはとても助かる。

そんな後押しも受けて、少しづつ、一歩づつ、前へ進む。